「金曜日は未来を語る日」NO5・「私が「人創り」に力を入れる理由」

人口が変わる時代に、まちはどう成熟するか ―
私が「人創り」に力を入れる理由
☆向日市の「今」を数字で見る
2025年1月時点、向日市の人口は56,186人。65歳以上の高齢者は27.1%を占め、現役世代(15〜64歳)2.2人で高齢者1人を支える構造になっています。全国平均(2.1人に1人)とほぼ同水準ですが、決して余裕のある数字ではありません。
令和6年の1年間だけを見ても、出生330人に対し死亡631人で301人の自然減、転入2,125人に対し転出2,209人で84人の社会減。合わせて385人が減りました。ここで見落としてはいけないのは、社会減より自然減の方がはるかに大きいという事実です。転入・転出の差ではなく、生まれる数と亡くなる数の差が、人口減少の主因になっている。つまり「よそから人を呼び込む」施策だけでは、この流れは止まりません。
さらに国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、向日市の人口は2015年から2045年までに21.8%減少し、約41,800人になる見込みです。2045年の平均年齢は51.7歳。今の子どもたちが働き盛りを迎える頃、向日市はまったく違う年齢構成のまちになっています。
☆2040年問題は、他人事ではない
国全体で見ても、2040年前後は「団塊ジュニア世代」が65歳以上になり、高齢者人口がピークを迎える時期とされています。厚生労働省の推計では、2040年の65歳以上人口比率は約34.8%に達し、現役世代1.6人で高齢者1人を支える社会になるといわれています。医療・介護の人材不足はすでに深刻化しており、2040年にはその不足がさらに拡大するという試算もあります。向日市も2040年には65歳以上の住民が3分の1を占めることが既に示されています。世界でも類をみない超少子高齢化社会の日本は、この現実をどう乗り越えていくのか?
これは国の話であると同時に、向日市の話でもあります。人口規模の小さい自治体ほど、この変化の影響を直接に受けます。行政サービス、地域の担い手、医療・介護の体制―そのすべてが、支える側の人数が減っていくという同じ土台の上に成り立っているからです。
☆「支えてもらう」から「支え合う」への転換
ここで大事なのは、危機感を煽ることではありません。この変化を前提として、「まちの仕組みをどう成熟させるか」という話であり13年後を見据えたまち創りを今すぐにでもスタートさせたいと感じています。人創りは想像より時間がかかります。
人口が増え続けていた時代は、行政がサービスを拡充し、住民がそれを享受するという関係でも回りました。
しかしこれからは違います。支える側の絶対数が減っていく中で、これまでと同じ量の行政サービスを、これまでと同じやり方で維持し続けることには限界があります。
だからこそ私は、一人ひとりが「自分にできる範囲で」地域に関わり、支え合う、そういう成熟した地域社会をつくることが、これからの幸福度の高い人生を左右すると考えています。誰かがすべてを背負う仕組みではなく、無理のない範囲で、それぞれが少しずつ地域に関わる仕組み。それが2040年問題を乗り越える、現実的で持続可能な道だと思っています。
☆その下支えをつくるのが、政治の役割
ただし、これは「住民一人ひとりの頑張り任せ」にしていい話では決してありません。地域で支え合う文化は、自然に生まれる場合もありますが、市民活動を応援する体制や、きっかけと仕組みを行政が用意することも重要だと感じています。
- 子育て世代が「この街で育てたい」と思える教育・保育環境
- 誰でも自分の得意なことで地域に関われる、間口の広い参画の仕組み
- 高齢者も現役世代も、支える側と支えられる側を固定しない関係づくり
これらの土台を整え、住民同士が自然につながっていく仕組みをつくること、それこそが政治の役割だと私は考えています。制度や施設は、それを使いこなす「人」がいて初めて意味を持ちます。だからこそ、まち創りの一丁目一番地は「人創り」なのです。
☆向日市から
人口減少も、2040年問題も、避けようのない前提です。しかしその前提の中でも、支え合う密度の高いまちであれば、幸福度の高い人生を送ることは十分に可能だと私は信じています。
その土台を、向日市からつくっていきたい。これからも「人創り」を軸に、まち創りの議論を続けていきます。