「公園を、まちのコミュニティガーデンへ」
使われない公園、捨てられる生ごみ、それでも変えられる未来 ―
向日市のコミュニティガーデン構想
☆向日市の公園、「数」はあっても「使われ方」はこれから
向日市には約100カ所程の公園があります。2023年、市民ネットワーク「向日市『生きる』ネット」が実際に62か所の公園を歩いて調べたところ、トイレがある公園はごくわずか、体育館横の市民ふれあい広場を除くとほとんどの公園でボール遊びが禁止されている、という実態が報告されています。
公園は「ある」けれど、「日常的に人が関わり、使い続ける場所」になっているかというと、まだ伸びしろがある。これが今の向日市の公園の姿ではないかと私は感じています。
☆生ごみは「燃やすごみ」の4割
もう一つ、向日市を含む全国のまちが共通して抱えている課題があります。環境省の調査によると、令和5年度の全国のごみ処理事業経費は2兆2,912億円、ごみ総排出量は3,897万トン。単純に割ると、ごみ1トンあたり約5万9千円の経費がかかっている計算になります(収集運搬や中間処理も含む金額です)。
そして各地の組成調査(札幌市・京都市など)では、家庭から出る燃やすごみのうち約4割を生ごみが占め、しかもその生ごみの8割近くは水分だと言われています。水分の多いごみは、燃やすにも余計なエネルギー(私たちの税金)がかかります。
向日市は単独の焼却施設を持たず、長岡京市・大山崎町とともに乙訓環境衛生組合(クリーンプラザおとくに)でごみを処理しています。生ごみを減らすことは、単なる「エコ」ではなく、3市町が負担している処理経費そのものを軽くする、地に足のついた行政コストの話でもあるのです。
☆向日市のコンポスト補助金、もっと知ってほしい
実は向日市には、生ごみ堆肥化容器(コンポスト)の購入費を補助する制度がすでにあります。
* 購入金額(税込)の2分の1を補助
* 電源を使う容器は上限1万円(1基まで)
* 電源を使わない容器は上限4千円(2基まで)
* 一度受け取ると、5年経つまで再申請はできません
制度としてはしっかり存在しているのに、「知らなかった」という声を市民の方からよく聞きます。生ごみを各家庭で減らす仕組みはあっても、それを地域として面で広げていく仕組みは、まだこれからだと感じています。
☆参考にしたいモデル ― コミュニティコンポスト×コミュニティガーデン
以前、福岡発の「ローカルフードサイクリング(LFC)」
https://lfc-compost.jp/?srsltid=AfmBOora7hsun_8zvYrpE7LecUUJl-2EFr8uiZg3JLgOZzarmmHLSHus
平さんが手がけるコミュニティガーデンを視察させていただいたことがあります。
https://go2senkyo.com/seijika/191983/posts/1275761
生ごみだけでなく雑草や落ち葉なども持ち寄って堆肥にし、その堆肥で野菜や花を育てる。三苫のコミュニティガーデンは600㎡から2,500㎡へと広がり、天神エリアだけでも十数か所の拠点で「コンポストと野菜を交換する」仕組みが根づいています。
家庭ごとの「点」だったコンポストが、公園という「面」でつながる。これは、向日市の公園が抱える「使われていない」という課題と、生ごみという「もったいない」資源を、同時に解決できる考え方だと私は思っています。
☆向日市で描きたい未来
私が向日市で実現したいのは、次のような循環です。
* 使われていない公園の一角を、生ごみを持ち寄れる「地域のコンポストステーション」にする
* できた堆肥で、公園の一部を「みんなの畑」に変え、花や野菜を育てる
* 収穫した野菜や花を、地域のこども食堂などに届ける仕組みをつくる
* 公園を「管理される場所」から、住民が「関わる場所」へと位置づけ直す
これは行政だけでできることでも、住民だけでできることでもありません。コンポスト補助金という「個人への支援」と、公園という「地域の共有地」を組み合わせることで、初めて実現できる形だと考えています。生ごみが野菜になり、野菜がこども食堂の食卓に並ぶ。その循環の起点に、向日市の公園がなれたらと思っています。
☆向日市から
公園も、ごみも、日々の暮らしの中であまりに当たり前すぎて、見過ごされがちなテーマです。
しかしその当たり前の中にこそ、まちを変えるヒントがあると私は感じています。
使われていない公園を、生ごみを資源に変える場所へ。焼却経費を減らしながら、地域の方々が集う場所。
こどもたちの食を支える場所へ。小さな一歩からですが、これからも「コミュニティガーデン」を軸に、まち創りの議論を続けていきます。
